日本人が苦手な英語のLとRの聞き分けを、約5日間でマスターできる学習法を情報通信研究機構などが開発した。脳活動を可視化する技術を応用し、自然と違いが分かるようになる。企業と連携して3年以内に試作品の開発を目指す。米科学誌電子版に15日、論文が掲載される。
日本人の学生や社会人などの男女計8人を対象に、英語の「light」と「right」の音声を4対1の割合でランダムに繰り返し聞かせて、その際の脳波を測定。音声の違いを感じると脳波に差が生じるため、その反応の大きさを円で画面に表示して見せ、円が大きくなるようにイメージさせる実験を行った。
毎日1時間、学習した結果、特に注意して聞かなくても、5日間で聞き分けの正答率が平均で約60%から約90%に向上した。ラの発音は「glass」と「grass」などでも、ほぼ判別できた。
今後はレやロ、BとVの違いなどにも対応させるほか、反応の大きさを自動車の速さで表現するゲーム性も取り入れ、効率の良い新タイプのリスニング学習法として製品化を目指す。
同機構の成瀬康・脳情報工学研究室長は「受験生や海外に転勤するビジネスパーソンなどに使ってほしい」と話している。