中国・上海市中心部の繁華街で10日、市の不動産政策に反発した数百人による抗議デモがあり、一部が警官に拘束されるなどした。12日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストなどが伝えた。
デモの発生場所は観光名所の外灘(バンド)に近い上海市随一の繁華街、南京路。多数の警官がデモ隊を囲み騒然となった。上海の中心部で抗議デモが発生するのは異例。中国メディアは一切報じておらず、当局はインターネット上の書き込みも削除した。
住民が反発したのは、上海市が5月中旬に突如発表した不動産をめぐる新たな指針。市は商業用地に建設されたビル内のオフィス用の部屋を住宅用に改装することを禁止し、改装済みの部屋からは住宅用のガスや水道施設の撤去などを求めた。商業用地は住宅用地に比べ取得費用が安いため、こうした部屋の価格も低く、一部で人気が高かった。(共同)