英総選挙 労働党コービン党首、メイ氏に辞任要求「信頼失った」

 【ロンドン=黒川信雄】英総選挙で議席の大幅増を実現させた最大野党、労働党のコービン党首は9日、自身の選挙区での当選を受けた集会で「メイ首相は信任を得ようと選挙を実施したが、保守党の議席と支持、信頼を失った」とメイ氏を痛烈に批判した。報道によると、コービン氏は同日、労働党が政権を担う用意があると述べた。

 労働党は鉄道、郵便などの再国有化や富裕層への課税強化、大学授業料の無償化、医療充実など大衆受けする政策を訴え、若者の間などで支持を広げた。

 コービン氏は支持者らを前に「緊縮政策はもうたくさんだ」と強調。メイ政権の保健・教育政策を批判し、「若者は社会で得られるべきチャンスを得られていない」と断じた。

 労働党が展開した選挙戦を「誇りに思う」と述べ、自身の活動の成果を誇示。紅潮した表情で「有権者は希望に投票した」と述べると、会場からは大きな拍手が巻き起こった。

 コービン氏は「この国のすべての人々を真に代表する政府のために、道を空けるべきだ」と主張し、メイ首相に辞任要求を突きつけた。