政府は2日開いた経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)で、経済財政運営の指針「骨太方針」の素案を示した。全世代への教育拡充など「人材投資」を柱に据え、保育所や幼稚園の費用を早期に無償化する方針を明記した。財政健全化は2020年度に基礎的財政収支を黒字化する目標を維持した。一方、黒字化後に目指すとしていた債務残高の対国内総生産(GDP)比の安定的引き下げは、黒字化と「同時に」目指すと表現を強め、より重視する考えを示した。
骨太方針は与党との調整を経て9日にも閣議決定する。
人材投資は安倍首相が次のアジェンダ(重要政策)に位置付けている。
素案では、まず「幼児教育・保育の早期無償化」を進めると強調した。財源案として(1)財政の効率化(2)税(3)新たな社会保険方式の活用-などを挙げ、年内に結論を得るとした。大学など高等教育の改革も早急に検討を進めると記した。
社会保障の効率化は、18年度の診療・介護報酬の同時改定を見据え、医療費の適正化や薬価制度の抜本改革などを行う。18年度予算は従来の財政健全化計画に沿って編成し、「社会保障の持続可能性の向上」と両立する考えを示した。