【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、中距離弾道ミサイル「北極星2(KN15)」の最終発射実験を行い、「成功」したと報じた。21日夕に内陸部の北倉(プクチャン)からミサイルを発射、約500キロ飛行し、日本海に落下した。実験に立ち会った金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、北極星2型の実戦配備を承認。量産化を指示した。
北極星2は、射程2千キロ以上とされ、射程内にある日本全土への脅威がさらに高まった。原子力空母を朝鮮半島近海に展開するなど圧力を強めるトランプ米政権に対し、在日米軍基地を狙うミサイルの実戦配備誇示で牽制(けんせい)した形だ。
金委員長は「命中性が極めて正確だ。北極星2は完全に成功した戦略兵器だ」と実験を評価し、「百点満点だ」などと満足を示したという。
朝鮮中央通信によると、北極星2は、無限軌道型の移動式発射台から圧縮ガスで射出した後、エンジンに点火する「コールドローンチ」方式が用いられた。固体燃料エンジンの信頼性などが「完全に実証された」と強調。弾頭部のコントロールの正確さも弾頭部に備えたカメラ映像で確認され、「戦闘環境での適応の可能性が十分に検証された」とした。
一方、同通信は、14日に発射した新型中長距離弾道ミサイルと称する「火星12」について、米太平洋司令部があるハワイや、アラスカを射程に収めるとも主張した。射程が4千~6千キロあると推定されていた。