【アセアニア経済】「一帯一路」の拠点に ミャンマーに強まる中国圧力、「内政干渉」警戒感 (1/3ページ)

2017.5.22 06:12

握手を交わすミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相(左)と中国の習近平国家主席=16日、北京市(AP)
握手を交わすミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相(左)と中国の習近平国家主席=16日、北京市(AP)【拡大】

 「内政干渉」警戒感

 ミャンマーを実質的に率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が、中国との関係を深めている。中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議に出席するため訪れた北京では、習近平国家主席と16日に会談し、インフラ建設や貿易などの分野で協力を強化する方針で一致した。また習氏は、ミャンマー政府と少数民族武装勢力との和平プロセスへの援助も表明し、スー・チー氏は紛争が続く国境地帯の安定に期待を示した。経済ばかりか内政問題でも中国に依存する傾向に、ミャンマー国内では警戒感も広がっている。

 「一帯一路」の拠点に

 スー・チー氏は、李克強首相とも会談。中国外務省によると、李氏は、ミャンマー北部カチン州ミッソンで中国が主導する巨大ダム建設再開による「信頼の構築」を求めた。

 建設計画は、ミャンマーの旧軍事政権が中国と合意。総事業費は36億ドルで、発電量の9割を中国に輸出する。だが、民政移管完了から半年後の2011年9月、テイン・セイン前大統領が国民の批判を受け中断した。

 ただ、スー・チー氏は、ダム建設再開について、調査委員会による環境影響などの「報告を待って判断する」と、即答を避け続けている。かつての建設反対姿勢を翻して再開を容認すれば、国内世論の反発は必至だからだ。

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