【ソウル=名村隆寛】韓国大統領選挙(5月9日投開票)の支持率で1位の左派系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補を、小差で追っていた中道左派の第2野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補の支持率が急落している。
世論調査会社リアルメーターの調査(24~26日)によると、文氏の支持率が44・4%であるのに対し、安氏は22・8%。2週間前の調査結果と文氏はほとんど変化はないが、安氏は約14ポイントも下落した。安氏の支持が下がった分、保守系の旧与党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補らが支持を上げた。
安氏が支持を落とした背景には、最近行われた候補者のテレビ討論の影響が指摘されている。文氏との事実上の2強対決だったなか、文氏は執拗(しつよう)に「保守派と結託している」と安氏への“ネガティブ攻撃”を続けた。安氏はこれをうまくやり過ごせず、ムキになって反論。その様子は韓国全土に放映された。
左派色が強い文氏を敬遠する保守層や無党派層の支持が安氏から離れ始め、選挙戦が折り返しに入ったなか、「文対安」の2強対決構造は崩れつつある。