政府は5日、シカやイノシシといった野生鳥獣肉(ジビエ)の利用拡大に向けた方策を話し合うため、民間有識者らを交えた関係省庁連絡会議の初会合を首相官邸で開いた。狩猟や捕獲で野生鳥獣による農作物被害を抑制するとともに、加工した食肉を安定的に流通させ、中山間地域をはじめ地方の所得向上につなげるのが狙い。
議長を務める菅義偉官房長官は会議に先立つ記者会見で、「全国の鳥獣被害は現場での生産意欲に関わる極めて大きな問題だ。マイナスをプラスに変えたい」と強調。現場の声を踏まえてジビエ利用を外食や小売店だけでなく、農山漁村に滞在する「農泊」や学校給食、ペットフードにも広げたいと意欲を示した。