日本企業による海外企業を対象としたM&A(企業の合併・買収)が2016年度に、件数・金額とも年度ベースでの過去最高を更新したことが3日、M&A助言のレコフ(東京)の調べでわかった。人口減などに直面し国内市場が先細りする中、業種を問わずに海外M&Aを積極的に手掛けて業容拡大を図っている。
レコフによると、16年度(16年4月~17年3月)の日本企業による海外M&Aは、件数で前年度比5.7%増の627件、金額で33.8%増の10兆9127億円で、ともに年度ベースでは過去最高となった。金額で10兆円を突破したのは、データで遡(さかのぼ)れる1985年度以降では初めて。
個別案件で金額が最大だったのは、ソフトバンクグループが英半導体開発大手アーム・ホールディングスを買収した際の3兆3234億円。日本企業の海外買収案件としては過去最大となった。2位は、アサヒグループホールディングスがビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)から東欧5カ国のビール事業を買収した際の8912億円だった。
海外M&Aの相手企業を地域別でみると、件数では北米が210件と全体の約3分の1に達し、金額では欧州が5兆5111億円と全体の約半分を占めた。