【上海=河崎真澄】中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は23日、新たにカナダや香港、ベルギーなど13カ国・地域の加盟申請を承認したと発表した。昨年1月の創設時メンバー57カ国と合わせて70カ国・地域に拡大し、日米が中心のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を上回った。
先進7カ国(G7)で参加を見送っているのは日米だけとなった。
習近平国家主席が提唱したAIIBは、中国の新シルクロード経済圏「一帯一路」構想を金融面から支える。中国を起点にアジア経由で欧州まで、鉄道、港湾や発電所などインフラ整備で経済圏を作る。AIIBに加盟すれば、自国インフラ整備への資金獲得や、自国企業による建設受注に有利だとの思惑がある。
中国は、「一帯一路」の国際サミットを5月14、15の両日に北京で開く。トランプ米政権が「米国第一主義」を掲げる中、関係国との協調を訴えることで、国際社会で影響力の拡大を狙う。AIIB加盟国の大半もサミットに参加する。
AIIBは6月にも、発足後2回目となる年次総会を開く見通しだ。
新たに加盟が認められた香港は中国の主権下にある特別行政区だが、異なる関税区域の経済体として、中国とは別枠で申請した。