総務省が過熱するふるさと納税の返礼品競争の是正に向けて、返礼品の調達額に寄付額の3、4割程度とする上限を定める方向で検討していることが17日、分かった。来月3日に全国の自治体に、返礼品対応についての総務相通知を出す。
ただ、通知には法的強制力はない。昨年の通知では、金券や家電製品を念頭に、高額品や換金性の高い返礼品の自粛を求めたが、具体的な数値の目安がなかったため、一部の自治体は商品券などの提供を続けた。そのため、総務省は返礼品の金額の範囲を制限する割合を明示した上で、市町村単位で問題のある自治体へ注意を行うなど、監視も強める方針だ。
ふるさと納税の返礼品は全国平均で寄付額の約4割程度だが、千葉県勝浦市が1万円の寄付で約7000円分の商品券を提供するなど、寄付額に対する返礼品の金額の割合を高くして多額の寄付を集める自治体も多い。
東京23区など税収減につながっている都市部の自治体の首長らからは批判的な意見も多く、愛知県の大村秀章知事は「モノで釣る制度に成り果てている」と述べ、返礼品を寄付額の1割程度とするよう求めていた。
高市早苗総務相は2月17日の閣議後記者会見で「競争過熱や、一部で制度の趣旨に沿わないような返礼品が送付されていることは問題だ」と強調。現在、制度や返礼品の問題点について、有識者や自治体の実務者から意見を聴取した上で、問題点の洗い出しや是正策の調整を進めている。