ソウル市内で発言する次期大統領選の最有力候補と目される最大野党「共に民主党」の文在寅前党代表=9日(聯合=共同)【拡大】
【ソウル=名村隆寛】韓国では朴槿恵(パク・クネ)大統領が罷免されたことで、60日以内に行われる次期大統領選に関心が移っている。
世論調査機関、韓国ギャラップが10日に発表した支持率調査(7~9日)では、左派系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が32%で1位を維持。これに一時、支持が伸びていた同党所属の安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が17%で続いている。
大統領代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相と、第2野党「国民の党」の安哲秀(チョルス)元代表がそれぞれ9%。1月には3位だった「共に民主党」所属の李在明(イ・ジェミョン)城南市長は8%と、いずれも一けた台で伸び悩んでいる。
大統領選は5月9日の実施が有力視されている。現状が続けば、独走状態の文氏が党の公認候補選びを経て出馬し、当選する可能性が高い。実現すれば、韓国では盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(2003~08年)以来、9年ぶりの左派誕生となる。
文氏は盧氏の選挙参謀を務め、盧政権では大統領秘書室長などを歴任。12年の前回大統領選で朴氏に僅差で敗れており、今回は雪辱に万全を期す。