経営が行き詰まる会社はどんな名称が多いのだろうか。このほど、東京商工リサーチが2000年以降に倒産した約18万社の社名(商号)をカナ読みして調べたところ、「ア」で始まる企業が1万1442社(構成比6.37%)と最も多かったことが分かった。次いで「シ」が1万1421社(6.36%)、「タ」が1万726社(5.9%)と続いており、「ア」「シ」「タ」で始まる企業は“明日のない”ケースが多いという皮肉な結果となった。
「ア」のつく企業で会社更生法の適用を申請したケースをみると、03年9月の消費者金融準大手のアエル、09年11月のマンション分譲大手の穴吹工務店、12年10月の眼鏡レンズ製造販売のアサヒオプティカル(福井県)などがあった。
アエルは1969年に山一物産として創業。1983年に日立信販に社名を変更し、店舗網を全国展開した。日立グループと関係がなかったことから、誤解を招くとして日立グループに訴えられ裁判で争ったが、2001年に再び「アエル」への社名変更を余儀なくされた。会社更生法の申請後は米国の投資ファンド、ローンスターグループの下で再建を図ったが、06年12月に成立した改正貸金業法の施行により、貸し付け基準が厳しくなったほか、顧客からの過払い金返還請求が相次いだこともあり、資金繰りが悪化。民事再生法の申請に追い込まれ、現在、貸金業は手掛けていない。