【モスクワ=遠藤良介】ロシアのモルグロフ外務次官がインタファクス通信のインタビューに応じ、北方領土での共同経済活動に関する日本との協議では、北方領土と日本本土を結ぶ空と海の直行便開設も議題になりうるとの見通しを示した。また、共同経済活動をめぐって3月に予定される日露会合では、ロシア側が候補としたい対象事業のリストを提示すると述べた。
共同経済活動については昨年12月、日露首脳が、平和条約締結問題に関する両国の立場を害さない形での実施を目指すと合意。今年3月には東京で、日露の関係省庁による会合が行われることになっている。
モルグロフ氏は直行便について、「共同経済活動で人の往来が増えれば議論すべきだろう」と発言。ただ、その場合には、ロシアが実効支配する北方領土の港湾施設などについて、法的な扱いが問題になることを示唆した。北方領土を「ビザなし渡航」で訪れる日本人は現在、国後島沖で入域手続きを行っている。
同氏は共同経済活動について、日露が漁業やインフラ整備、医療、観光といった分野で対象事業を選定し、その上で法的基盤を議論するべきだとしている。