【ワシントン=小雲規生】米紙ウォールストリート・ジャーナルは3日、トランプ米大統領が金融規制改革法を修正し、規制を緩和する大統領令に署名すると報じた。投資銀行大手ゴールドマン・サックス社長からホワイトハウスの国家経済会議(NEC)委員長に就任したゲーリー・コーン氏が同紙へのインタビューで明かした。
同法は2008年のリーマン・ショックを受け、オバマ政権が10年に成立させた政治的遺産(レガシー)のひとつ。民主党から「ウォール街優遇」との批判が持ち上がるのは必至だ。
トランプ氏は大統領令で、財務長官らに対して同法の改革案を提出するように命じる。コーン氏は同紙に対して、同法による規制の結果、金融機関は融資が難しくなり、消費者に提供する金融商品の選択肢が少なくなりすぎていると主張。「世界で最も資本力がある米国の銀行を競争力向上のために用いるべきだ」としている。
同紙によると、トランプ氏は、オバマ前政権が4月の発効を決めた、年金などの運用を助言する金融機関に「顧客本位の業務運営」を促すルールの見直しも命じる。顧客にとって最善でない金融商品を、手数料の安さという理由で販売せねばならなくなるためだという。