財務省は31日、政府全体の資産と負債を示す2015年度の「国の財務書類」を発表した。負債が資産を上回る「債務超過」の額が520兆8000億円となり、過去最悪だった14年度から、さらに28兆8000億円拡大した。社会保障費の増加を補う財源が足りず、穴埋めの国債発行が増えたため。
15年度末の負債は、14年度末と比べ21兆4000億円増の1193兆2000億円で、過去最大を更新した。このうち国債の発行残高は32兆6000億円増の917兆5000億円だった。
道路や国の施設を含む資産は7兆5000億円減の672兆4000億円。米国債といった外貨証券の残高が為替相場の変動で減るなどし、有価証券が14兆7000億円減の124兆8000億円となったことが響いた。