フィリピンは、2017年も人口の増加が続きそうだ。政府のフィリピン人口委員会は、今年は年間の新生児が約170万人に達し、総人口が1億576万人になるとの予測を発表した。出産期の女性が増えていることなどが要因だ。現地経済紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
同委員会の幹部によると、今年の出産期(15~49歳)の女性人口は2730万人で同国の過去最多を更新するほか、1分間当たりの出生数が3.22人と3人を超える見通しだ。出産期の女性人口のピークが22年(2910万人)と予想されることから、人口の増加はしばらく続くという。
同国は、政府が貧困対策の一環として出産を抑制する方針を示しているが、人口の8割を占めるカトリック信者を中心に計画出産に否定的な意見が根強い。15年には、裁判所が食品・医薬品局による避妊製品のライセンス更新の一時差し止めを命じた。同幹部は、この司法判断が現在も有効なため、市場で避妊製品の供給不足が深刻化していると指摘。「差し止めを解除しなければ、年間出生数がさらに100万人増える可能性もある」と述べ、裁判所に早期の対応を求めた。