国際通貨基金(IMF)は16日、最新の世界経済見通しを発表した。日本の2017年の実質国内総生産(GDP)成長率を0.8%とし、昨年10月時点から0.2ポイント上方修正した。米国と中国も引き上げたが、新興国・途上国を下方修正したため、世界全体は3.4%とし予想を維持した。
世界全体の成長率は18年が3.6%とし、16年の推計3.1%から2年連続で加速すると見込んだ。一方、トランプ次期米政権のような保護主義的な政策が広まれば、世界的に貿易を抑制し、成長率を下振れさせかねないとの警戒感も示した。
日本の17年の成長率を上方修正したのは「16年後半の景気が想定より良かったため」と説明。18年の成長率は0.5%とし、予想を据え置いた。
米国は17年が2.3%、18年が2.5%とし、それぞれ0.1、0.4ポイント引き上げた。トランプ次期政権の大規模減税やインフラ投資が景気を押し上げると見込んだ。
ユーロ圏は17年、18年ともに1.6%の成長を予想した。欧州連合(EU)離脱を決めた英国は17年が1.5%、18年が1.4%と、景気は減速していく見通しだ。(ワシントン 共同)