--プーチン大統領来日を受けた日露首脳会談で、北方四島における共同経済活動の協議開始などで合意が得られたものの、進展が期待された領土交渉は前進が見られませんでした
これまで安倍晋三政権は領土返還への期待を高めてきただけに、その対ロシア外交は失敗したといえるのではないでしょうか。領土交渉が不調に終わった背景には、ウクライナ情勢をめぐっての日本政府の外交判断の誤りが指摘できます。欧米とロシアの対立が深まった際、日本政府は欧米に同調し、対露制裁を発動しましたが、制裁ではなく、わが党が主張したように、欧米とロシアの橋渡しとなる外交を実施していれば、結果として、領土問題を動かすことにもつながったのではないかと思います。
いずれにせよ、軍事力を背景に海洋進出を強める中国の抑止こそが、地域の安全保障上、最大の課題となるなか、ロシアとの関係強化は欠かせません。経済協力に関して、今回、3000億円規模の投融資などで合意しましたが、日露双方の発展に向け、前回も指摘したように、領土問題はいったん脇に置いてでも、経済関係はもちろん、安保協力も含めた日露関係の絆を強めながら、平和条約の締結を目指すべきであると申し上げておきたいと思います。
--さて、今回が今年最後の本欄となりますが、振り返っていかがでしょうか
本年2016年は、60年に一度の「丙申(ひのえさる)」の年であり、「革命の年」だといわれていましたが、なかでも米大統領選において、主要メディアの予測を覆したドナルド・トランプ氏の勝利は大きな衝撃を与えました。今後、「トランプ革命」ともいうべき世界潮流の変化がもたらされるはずです。