政府は15日、2017年度の国の税収見通しを57兆7000億円程度とする方向で調整に入った。16年度の当初見通し(57兆6000億円)を上回る高い水準。16年度は年初からの円高で企業業績が低迷し、法人税収などが減少するが、17年度には回復するとみている。このため、16年度の税収は、当初見通しより1兆7000億円少ない55兆9000億円程度とする方針だ。
政府は22日に17年度予算案を決定。一般会計総額は過去最大となる97兆円規模に膨らむ見込みだ。
税収については現在精査しているが、16年度の当初見通しを上回るのはほぼ確実で、借金に当たる赤字国債の発行を一定程度抑制できる効果がある。
国の税収は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を背景に増加が続き、政府は上振れ分は景気対策などの財源に充ててきた。ただ、16年度は年初からの円高や原油安で、法人税や消費税が減少。財務省が11月に発表した4~9月の一般会計税収は15兆9525億円と、前年同期に比べ4.8%減少した。しかし、米大統領選後に円安ドル高が進行。政府は企業業績が持ち直すことなどから、17年度は税収が回復すると判断している。
一方、16年度の税収見通しは7年ぶりに前年度実績を下回る見込み。このため、22日に決定する16年度第3次補正予算案で赤字国債を発行して財源不足を補う方針だ。