東京株、一時1万9000円台回復 年初来高値を更新

 9日の東京株式市場は、前日の欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和延長を好感した欧米株上昇や中国の景気回復期待を背景に、日経平均株価は大幅続伸した。昨年末以来、約1年ぶりに一時1万9000円台を回復し、連日で年初来高値を更新した。

 株価が心理的な節目を超えて昨年末の水準に接近したことで、投資リスクを取る動きが一段と活発化する可能性もある。

 終値は前日比230円90銭高の1万8996円37銭。

 ECBは量的緩和策を9カ月延長すると決定し、世界的に資金が多く出回ると期待された。9日の取引時間中に中国の消費者物価や卸売物価の上昇率が前月よりも拡大したと伝わり、中国の景気回復観測から投資家心理がさらに強気になった。

 年明け以降、世界経済の減速懸念から円高株安が進んだ。6月に英国が欧州連合(EU)離脱を決めると懸念が拡大。平均株価は1万5000円を割る場面もあった。潮目が変わったのは11月の米大統領選。トランプ氏が勝利すると減税や公共投資といった政策を好感した株価上昇が続いた。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「トランプ次期米大統領が経済優先の政権運営にかじを切るとの変化への期待がある」と指摘し、次期米政権が市場を裏切らない経済政策を進めれば、2万円超えの展開も予想する。