トランプ流VSアップル、新政権を注視するIT大手 「国内生産」ならアイフォーン価格が1万円上昇!? (1/2ページ)

 【ワシントン=小雲規生】ドナルド・トランプ次期米大統領が政権発足に向け組閣作業を進める中、IT業界ではトランプ氏が規制や税制で強い権限を持つことへの困惑が広がっている。トランプ氏は大統領選の期間中、アップルやグーグルなどのIT企業をさまざまな理由で批判。各社は今後、次期政権とどのように渡り合っていくか、慎重に距離を測っている。

 「アップルは外見や出身、信仰、愛する対象が誰であるかを問わず、多様性を尊重する」

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は大統領選の後、社内向けメッセージでこう訴えた。若者が多く、社会改革の意識も強いシリコンバレーで、トランプ氏の女性や移民に対する差別的言動への嫌悪感が強いのを受けた発言で、アップルのトランプ氏に対する“遺恨”の深さをうかがわせた。

 トランプ氏は選挙戦で、アップルが主力商品iPhone(アイフォーン)を中国など海外で生産し、海外の子会社を使って課税逃れをしていると批判されていることに関し、「アップルに米国で製品を生産させる」と発言。これに対しクック氏は、一連の課税逃れ批判を「政治的なざれ言」と一蹴した。