参院本会議は11日、今国会の焦点の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案と関連法案の趣旨説明と質疑を行い、審議入りした。
安倍晋三首相は質疑で「今後、あらゆる機会を捉えて米国ならびに他の署名国に国内手続きの早期完了を働き掛けていく」と述べ、TPP脱退を掲げるトランプ氏の大統領就任が決まった米国にも承認を促す考えを示した。TPP発効には、署名国の中で最大の経済規模を持つ米国の承認が必要だが、トランプ氏の就任で発効が見通せなくなっている。
安倍首相はTPP承認で各国の出方を受け身で待つのではなく「わが国が主導することで早期の発効機運を高めたい」と述べた。失言が相次いだ山本有二農林水産相に関しては「今回の発言を真摯(しんし)に反省し、安倍内閣の一員として職責を果たしていただきたい」と述べた。
11日は本会議に続いてTPP特別委員会も開かれ、関連法案などの趣旨説明が行われた。