安倍首相が速攻、トランプ氏と17日にNYで会談へ トップダウン志向の2人、意外とウマが合うかも (1/2ページ)

 「できるだけ早い時期にトランプ氏に会って、日米同盟の重要性や意義について話をしなければならない」

 安倍晋三首相は米大統領選に共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した9日夜、周囲に繰り返しこう語り、早期の会談実現に意欲を示していた。

 政治家経験も軍歴もない初の米大統領となるトランプ氏の外交・安全保障観には、まだ「真っ白」な部分が多いとみられ、そこをいち早く安倍カラーに染めるためだ。特に中国に対しては、日米が歩調を合わせることが何より重要である。

 安倍首相は10日の初のトランプ氏との電話会談で、早速こう提案した。

 「私は近くアジア太平洋経済協力会議(APEC)に行く。その途中、17日だったらニューヨークでもそれ以外でも、あなたに会えるのだがどうか」

 トランプ氏は「グッド・アイデアだ。私はその日はニューヨークにいるので、会談でも食事でもオーケーだ」と即答した。この会談実現は、外務省は一切事前調整しておらず、2人がトップダウンで決めた。

 政府関係者によると、安倍首相とトランプ氏の会話は打てば響くようなテンポのいいもので、トランプ氏は日米同盟の重要性を指摘し、安倍首相の業績に敬意を表していたという。「オバマ大統領よりうまが合うかもしれない」(外務省幹部)との見方もある。

 日本国内では、9月の国連総会に出席のため安倍首相が訪米した際、民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏とだけ会談したことが、トランプ氏とのしこりになるのではないかとの危惧も出ている。