大規模停電 経産相が東電社長を叱責 ケーブル劣化見抜けず、報告も遅れ…

経済産業省を訪れた東京電力ホールディングスの広瀬直己社長(左)と世耕弘成経産相=13日、東京・霞が関
経済産業省を訪れた東京電力ホールディングスの広瀬直己社長(左)と世耕弘成経産相=13日、東京・霞が関【拡大】

 東京都内の約58万6000軒に影響が出た大規模停電で、世耕弘成経済産業相は13日、経産省を訪れた東京電力ホールディングス(HD)の広瀬直己社長に対し「35年以上も同じケーブルを使い続けながら、年1回の目視点検で劣化を見抜けなかった。それが原因とみている」と厳しく叱責した。「2020年東京五輪を控え、今回のような事態を二度と起こさないように気を引き締めていただきたい」と述べ、原因究明と不燃性ケーブルへの交換など再発防止策を求めた。

 広瀬社長は「多くの皆さまにご迷惑とご心配をお掛けし、大変申し訳ない」と謝罪し、今回火災を起こしたのと同様の送電ケーブルに対する緊急点検を開始したことを説明した。

 東電HDによると、ケーブルは古いもので設置から50年程度が経過しており、平均経過年数は38~39年になるという。点検で劣化が見つかったものは、最新ケーブルに交換するとしている。

 世耕氏は「事故に対しては早い段階から責任者が丁寧に情報提供するのが基本中の基本。役員が会見したのは事故発生から5時間以上経過してからだった」と東電HDの対応を批判した。