「日本国憲法は米国製」を認めない護憲派の倒錯 論点すり替え陳腐な反論 (1/4ページ)

【阿比留瑠比の極言御免】

 もう旧聞に属する話かもしれないが、大事な問題なのでやはり取り上げたい。バイデン米副大統領が8月15日の演説で、共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ氏を批判してこう発言した件である。

 「(日本が)核保有国になり得ないとする日本国憲法を、私たちが書いたことを彼(トランプ氏)は知らないのか。学校で習わなかったのか」

 米政府の要人中の要人、ナンバー2である副大統領が公の場で、米国が日本国憲法を起草したことを明言したのだ。事実関係からすれば当然のことではあるが、憲法の成り立ちをめぐる戦後の欺瞞が、通力を失っているのを感じた。

 何しろ、米国が主導した連合国軍総司令部(GHQ)は戦後の対日占領期、GHQが憲法起草に果たした役割についての一切の言及や批判を検閲し、削除または掲載発行禁止の対象としていたのである。

 米国が隠したため、まさにわれわれ日本国民が「学校で習わなかった」ことを、米副大統領が自ら表明したのだから興味深い。嘘やごまかしは、いつかほころびていくものだ。

「米国が書いたというのは、副大統領としてはかなり不適切な発言だ」