マグロ漁獲規制、関係国合意は見送り 日本案に賛同得られず

 日本近海を含む北太平洋海域のクロマグロの資源管理を関係国・地域が話し合う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の小委員会は2日、焦点だった太平洋クロマグロの資源枯渇を防ぐために発動する緊急の漁獲規制について合意を見送り、閉幕した。

 日本は、生後1年未満のクロマグロの量が3年続けて低水準だった場合に緊急の漁獲規制を2年間実施することを提案していた。今回の小委員会で内容を固め、年内の正式合意を目指していたが、賛同を得られなかった。発動条件の案に関して米国が強く反対したという。来年の合意を目指す。

 太平洋クロマグロは高級すしネタとして人気で、乱獲などによって資源が減少。太平洋の中西部を管理するWCPFCは漁獲規制を実施中だが、資源が差し迫って枯渇する恐れがある場合に備えた規制を事前に作り、素早く発動できる態勢を目指している。昨年、緊急規制を事前に作成することで合意し、具体的な規制内容や発動条件を今年決めることになっていた。