菅義偉官房長官は8日、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたことを受けた臨時記者会見で、「お気持ち」の表明が、天皇の国政への関与を禁じた憲法4条に抵触するかどうかについて「今回のご発言は、将来的に公務の円滑な遂行が困難になる可能性があるというお気持ちを陛下自身で述べられた。したがって、国政に影響を及ぼすようなご発言ではない」と述べ、問題はないとの認識を示した。
天皇陛下のご公務の見直しについて、菅氏は「これまでもご年齢にふさわしいものになるよう必要な見直しを図ってきた」と説明。その上で「今後とも憲政上、天皇は日本国民統合の象徴であり、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づくとされている。そのことを踏まえ、引き続き考えていくべきものと思っている」と話した。
有識者会議の設置については「今日、安倍晋三首相の考え方が示されたばかりなので、これからどのようにするか考えていかないといけない」と述べるにとどめた。
現行の皇室典範では「生前退位」を認めておらず、皇室典範の改正や特別立法が必要になる。
菅氏はこれについて「首相自身が陛下のお言葉を踏まえ、どのようなことができるのかしっかり考えていかないといけないと発言した。それに基づき、これからどのようにするか考えていかないといけない。これが今の私たちの現実だ」と述べ、具体的な言及を避けた。