国・自治体の訪日客誘致、東南アジアに重点 年4000万人へ中国頼み脱却 (1/3ページ)

2016.7.11 06:34

京都市にオープンした漢検漢字博物館・図書館。地方自治体の外国人観光客の誘致合戦も活発化している=6月29日
京都市にオープンした漢検漢字博物館・図書館。地方自治体の外国人観光客の誘致合戦も活発化している=6月29日【拡大】

 2020年に日本を訪れる外国人旅行者を年間4000万人とする目標達成に向け、国や地方自治体、民間による誘致合戦が過熱している。中国の景気減速や円高の影響で、牽引(けんいん)役だった中国人客の消費に陰りも見え始める中、成長著しい東南アジアが重点市場として注目を集めている。

 爆買い弱まる

 15年の訪日客は過去最多の1974万人を記録。国・地域別では中国が約500万人と最も多く、韓国、台湾、香港を合わせて7割を占めた。今年は6月初旬に訪日客が1000万人を突破。5月には旅行者のお金の出入りを示す旅行収支の黒字が、前年同月比20.2%増の1254億円となるなど好調が続く。

 中国最大の格安航空会社(LCC)、春秋航空と同じグループの「春秋国際旅行社」が14年秋から約1年間で主催した日本ツアーの参加者は約20万人。15年秋からの約1年間で2倍以上の約50万人に達する見通しだ。

 一方、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の上海にある提携店は、6月に家電製品や高級時計などの特売会をメインに据えた東京行きツアーを予定していた。しかし中国政府が4月に海外で購入した商品に課す関税を引き上げたことで中止。急激な円高進行も相まって「爆買いはもう市場のトレンドではない」(HIS広報)との見方も強まる。

中国頼みの状況を脱するため、鍵を握る市場の一つが、日本から近く人口も多い東南アジアだ

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