経済産業省が、さまざまな機器がインターネットにつながるIoTやビッグデータを活用するなど、高度な運転管理体制を導入した火力発電設備に対し、定期検査の間隔を最長で6年間に延長することが8日、分かった。東日本大震災後の特例で、検査を延伸した設備でも重大な事故が起こっていないため、制度を見直す。安全性の高い設備に有利な制度を設け、事業者に自主的な保安能力の向上を促す。
新制度では、保安体制の整備状況に応じ火力設備を3段階に分類。日常の保守点検に加え、IoTによる遠隔操作やビッグデータを駆使した異常検知など運転管理の高度化を実現した設備を最高ランクとし、検査間隔を6年間に延伸する。
現在はボイラーは2年間、蒸気タービンは4年間のうちに定期検査を実施しなければならない規則だが、検査期間の延長で事業者はより都合のよい時期を選ぶことができ、中長期的な計画の中で効率的な設備運営が可能になる。