欧州連合(EU)離脱派が勝利した23日の国民投票後、英国内で移民らへの差別的な嫌がらせが急増、キャメロン首相は27日の閣議で強く非難した。PA通信が伝えた。キャメロン氏は「政府は他のEU諸国の市民に対する不寛容には我慢できない」と訴えた。
英国では国民投票後、ポーランド系移民らに英国から出て行くよう呼び掛けるなどの嫌がらせが相次いで発生。ニュースサイト「インディペンデント」によると、これまでに100件以上の差別的嫌がらせや憎悪犯罪(ヘイトクライム)が報告されたという。
ロンドン警視庁は今後も同様の行為が起きるとみて警戒を強めている。
英国民投票のキャンペーンでは、離脱派の一角を担った右派の英独立党が、大量の難民の姿を捉えた写真に「EUはわれわれを失望させた」とのメッセージを添えたポスターを作成。「人種差別を助長する」との批判が上がっていた。(共同)