27日の東京株式市場で、シャープ株が急落し、株価が100円を割り込んだ。前週末の株暴落で大きく値を下げたうえ、この日も大きく続落した。シャープが現在の会社の形態になった1970年以降では100円割れは初めて。
経営不振から台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りが決まったこと、8月1日付で東証2部に降格することが決まったことなどで、株を手放す投資家が増えている。
シャープは前身の早川電機時代には100円以下の株価だったことがあるが、1970年にシャープに社名変更して現在の会社形態に変えてからは、株価も上昇。1999年12月には2675円の上場来高値をつけたが、このところの経営不振で株価は加速度的に値下がりしていた。
24日は英国の欧州連合(EU)離脱が決まったことで市場全体が暴落し、シャープ株も前日比22円安の111円と大きく値を下げて取引終了。16.5%下落した。
27日も値下がりが続き、安値が17円安の94円。終値は16円安の95円で、14.4%値下がりした。この2営業日の下落幅は29%に及ぶ。
2部に降格するのは、今月23日に提出した有価証券報告書で、2016年3月末時点で債務超過に陥っていると確認されたため。23日の株主総会でも鴻海精密工業傘下入りや今後の再建策について、会社側の説明に納得していない株主もおり、これも売りにつながった。