将来懸念、管理強化訴え 漁業者ら「マグロサミット」500人討論

2016.6.14 06:23

全国の漁業者らが太平洋クロマグロの資源管理の在り方を議論した長崎県壱岐市でのマグロサミット=4月

全国の漁業者らが太平洋クロマグロの資源管理の在り方を議論した長崎県壱岐市でのマグロサミット=4月【拡大】

 4月半ば、各地から持ち寄られたカラフルな大漁旗がなびく長崎県壱岐島のホールに、北海道から沖縄県まで各地のマグロ漁業者が続々と集まってきた。

 「壱岐市マグロ資源を考える会(中村稔会長)」などが主催して開いたこの日の「マグロサミットin壱岐」には、関係者や政治家、研究者ら約500人が集まり、資源保護の在り方や漁業の将来を話し合った。

 中村会長は「地域の経済を支え、日本の食文化でもある重要なマグロの資源が、このままでは漁業が終わりになってしまうまでに減少している。規制は導入されたが資源が回復したわけでも、持続的に漁業が続けられるようになったわけでもない」と指摘。「未成魚の削減は重要だが、親に卵を産ませることも重要だと思っている」と産卵期の親魚漁獲規制導入の重要性を訴えた。

 サミットでは「過去10年間で魚は本当に減り、このままでは生活ができなくなる」(青森県大間町の漁業者)、「資源の減少を見ていると自分たちで自分の首を絞めていると思う」(沖縄県石垣市の漁業者)とマグロ資源とマグロ漁の危機を訴える声が相次いだ。

 長崎県の壱岐市と対馬市のマグロ漁業者は昨年6、7月の2カ月間、クロマグロ産卵域で体重30キロ以上の親魚漁獲の自主的禁漁を実施。今年も同様の措置を取る。

 だが、産卵期の親魚を大量に漁獲する巻き網漁の規制なしには、その効果も薄く、水産庁は親魚規制には消極的。サミットでも、巻き網漁業者も水産庁の担当者の姿もなかった。

 参加者は「次回サミットに多くのメンバーを招待し、対話の努力をする」「速やかな資源管理を実現するための管理の在り方を国に提案する」などとする宣言をまとめ、今後も議論を続けることにしている。

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