島根・山口県沖でガス試掘調査 商業化判断できれば岩船沖以来33年ぶり

2016.6.7 06:46

日本の掘削地点

日本の掘削地点【拡大】

 政府が島根・山口両県の約130~140キロ沖合で商業生産に必要な天然ガスや石油埋蔵量を確認する試掘調査を開始したことが6日、分かった。政府の委託を受けた国際石油開発帝石(INPEX)が着手し、商業生産できる埋蔵量を確認できれば8月末にも商業化を判断する。商業化できる国内の油田・ガス田が確認できれば、1983年の新潟県胎内市の岩船沖ガス田発見以来、33年ぶり。経済産業省は今後、国内資源開発への民間参入の環境整備を進め、海洋開発に弾みをつけ、エネルギーの安定確保を進める。

 島根・山口沖合では、すでに3次元物理探査船「資源」による音波探査などで地下を立体的に調査し、ガスや油の地層があることが判明。昨年8月に海底の状況も調べていた。経産省は商業化の可能性が高いと判断し、試掘調査に踏み切る。

 掘削深度は最終的に海底約3300メートルに達し、埋蔵量や石油と天然ガスの割合なども調査する。今回の試掘費は91億円で9割を国の予算で賄う。

 近隣では、韓国石油公社とオーストラリアの資源開発会社のウッドサイド社が共同で試掘し、2004年から商業生産中。可採埋蔵量は液化天然ガス換算で約600万トンと日本の消費量の約1カ月分に相当し、両社は周辺の調査も進めている。

 原油安で民間の海外資源開発にブレーキがかかる中で、経産省は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた資金供給と両輪で国内の資源開発を促す。

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