三重県志摩市で開かれている主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は27日午前、「先進7カ国(G7)伊勢志摩首脳宣言」を採択した。最大の焦点となっていた世界経済の見通しについて「下方リスク高まってきている」として「新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行う」との先進7カ国(G7)の決意を表明した。
海洋安全保障については中国を名指しすることを避けつつも東シナ海と南シナ海の状況への懸念を表明。「自国の主張を通すために力や威圧を用いない」として仲裁を含む法的手続きを通じた紛争解決の重要性を再確認した。
サミットは27日午後まで討議を続けた後、安倍晋三首相が議長会見して閉幕する。
世界経済について首脳宣言はG7版の「3本の矢」として財政・金融政策、構造改革の役割を再確認。各国の状況に配慮しつつ、需要を強化するため、全ての政策手段を個別または総合的に用いるとした。
財政出動についても機動的に実施し、構造改革を果断に進めることの重要性も確認。財政出動に積極的な日本やカナダに対し、財政規律を重視するドイツや英国が慎重な姿勢をとっていたが、宣言には政策実施の前提として「債務を持続可能な道筋に乗せていくための取り組みを継続しつつ」との表現も盛り込まれ、財政健全化にも配慮した格好になった。