2016.5.5 05:00
長い間、旅行の自由が制限されていた中国の人々にとって、近年の旅行ブームは、当然の成り行きと言っていい。流行語となった「世界は広い、さあ、見に行こう!(世界那麼大、我想去看看)」というコピーの通り、休みのたびに旅行に出る。
そんな人々に朗報なのが、昨年末から話題にのぼる「週休2.5日」の導入である。
中国国務院は2015年8月、「週休2.5日制」を試行的に導入するよう、全国の地方自治体に呼び掛けていた。そんななか全国に先駆けて、先月1日、まずは山西省晋中市と江西省吉安市で実施されたのである。目的は、観光旅行の推進、観光関係消費の促進だった。
その概況はこうだ。
(1)毎月2回金曜日の午後を休業とする(2)党・政府機関と団体・事業機関で実施。社会組織・企業も導入可(3)導入機関は金曜日午後も、半分の職員は出勤するよう人員調整をする(4)国の定める労働時間確保のため、他の日に補填(ほてん)する-。
問題はもちろん(4)だ。
労働時間を補填、具体的には「有給休暇から差し引く」「毎週4時間以上の残業を義務化」「当直を増やす」などがあげられている。
当然庶民の反応はイマイチだ。
まず楽観派はこう考える。「休みが多いにこしたことはない」「週休2.5制、大賛成。仕事第一の人生なんてつまらない。しっかり休んでこそ、仕事の効率も上がる」「いっそのこと週休3日制になればいい」