オバマ米大統領は2日、米紙ワシントン・ポスト(電子版)に寄稿し、環太平洋連携協定(TPP)について「中国ではなく、米国に世界貿易への道を開いてくれる」と重要性を訴えた。TPPが発効すれば、アジア太平洋の市場で競合相手である中国より米国が優位に立つことが可能になると強調した。
オバマ政権はTPPの年内の議会承認を目指すが、実業家トランプ氏(69)を含む米大統領選の指名争いの候補者や議会に反対論が強い。
オバマ氏はTPPに「懐疑的な見方があるのは理解している」とした上で「壁を築いて世界経済から孤立すれば、信じられないほど豊かな機会を逃すことになる」と指摘。貿易協定に反対するトランプ氏らを念頭に、TPPの早期発効を主張した。
日中が交渉に参加するアジア広域の自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」に言及し、知的財産保護などの点でTPPの方が優れているとした。(共同)