トルクメニスタン「開国」、日本も一役 中国依存避け、協力多角化探る (1/2ページ)

2016.4.26 06:06

トルクメニスタンの首都アシガバートで建設が進む競技場やグラウンド=3月26日(共同)

トルクメニスタンの首都アシガバートで建設が進む競技場やグラウンド=3月26日(共同)【拡大】

 情報統制の厳しさから「中央アジアの北朝鮮」とも呼ばれてきたトルクメニスタンが、「開国」への道を歩みだそうとしている。鍵となるのは日本との協力強化だ。主力輸出品である天然ガスの価格低迷や、過度の中国依存に対する懸念から、国際協力の多角化を探っている。

 大理石をふんだんに使った白亜の巨大な建物が幾重にも並ぶ。首都アシガバートで9月に開校予定の「トルクメン日本工科大学」。大学の担当者は「将来的に3000人規模にし、日本語と英語で教育する」と意気込む。

 親日志向のベルドイムハメドフ大統領が力を入れる案件。日本語人材を育成し、日本との技術協力を深化させる拠点と位置付ける。日本の役割に期待するのは「経済見通しが曇りつつある」(モスクワのコンサルタント会社社員)ことが一因だ。

 トルクメンは世界4位のガス埋蔵量を誇り、経済成長を続けてきた。だが、最大の輸出先だったロシアは数年前、価格交渉が折り合わず輸入量を削減。打開策として隣国アフガニスタンからパキスタン、インドまでのパイプライン建設を始めたが、政情が不安な地域を通るため実現を危ぶむ声もある。2013年にガス輸出の大型契約を結んだ中国への依存が強まりつつある。

 日本には技術協力による石油製品などの輸入代替産業の育成とともに、緩やかなトルクメン国際化の担い手を期待する。戦略的要衝である中央アジアの主導権争いを繰り返してきた中ロや欧米と比べ、日本には安心感があるようだ。

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