北朝鮮による核実験や長距離弾道ミサイルの発射で朝鮮半島情勢に注目が集まるなか、中国海軍の艦隊が日本列島を一周した。北朝鮮に対応する自衛隊や在日米軍の動向を探るのが主な目的だったとみられる。中国の強引な進出は東シナ海や南シナ海で際だっているなか、すでに中国海軍艦隊は日本列島周辺にも忍び寄っており、“日本列島包囲網”を築いている。
中国海軍の艦隊が堂々と日本列島を1周
防衛省によると、日本列島を一周したのは、中国海軍ルフ級駆逐艦1隻、ジャンカイII級フリゲート1隻、ドンディアオ級情報収集艦1隻、フーチン級補給艦1隻の合計4隻。1月27日に対馬海峡を北上し、2月2日に津軽海峡を通過。日本列島の太平洋側を南下し、九州南端の大隅海峡を通り抜けたことが確認されている。
このうちのドンディアオ級情報収集艦は2月4日から同8日にかけて千葉県の房総半島南東沖で往復航行を行った。その具体的な狙いは今のところ分かっていない。しかし、房総半島沖を南西に進み、反転して北東に航行する動きを繰り返したことから、自衛隊関係者の1人は「神奈川・横須賀にある自衛艦隊司令部や米海軍基地などの情報を収集するのが目的だったのではないか」とみている。