日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は15日の衆院予算委員会で、民間銀行が日銀に預ける資金の一部に年0・1%の手数料を課すマイナス金利を16日に導入した後も「個人向け預金の金利がマイナスになるとは考えてない」との認識を改めて示した。
民主党の玉木雄一郎氏への答弁。
日銀が1月29日にマイナス金利の導入を決定後、投資家が少しでも高い利回りの国債の購入を加速して、長期金利の代表的な指標である10年国債の利回りが一時0%を割り込んだ。この結果、国債をマイナスの利回りで購入して、満期まで保有すれば損失が出る異常事態となった。
黒田氏は、マイナス金利で市場から購入した国債を日銀が満期まで保有すれば「その分損になる」と説明。ただ「現在保有している長期国債の大半はそうなっていない」とし、保有資産は「全体的に含み益を抱えている」と語った。
また、日銀が債務超過に陥り、倒産する可能性については「バランスシートがマイナスになって、中央銀行が倒産するというようなことはまったくない」と述べ、強く否定した。