日本市場を席巻する中国人の訪日旅行者の“爆買い”。国内製品を信用せず海外で買いまくる中国人特有の旺盛な消費行動が、皮肉にも減速してきた中国経済の景気押し下げ要因となっているとして、景気に神経をとがらせる中国政府が警戒を強めているという。専門家も「政治問題化する恐れがある」と指摘、今後の中国政府の出方に注目している。
海外消費ブーム
中国は空前の海外消費ブームに沸いている。この20年間、旅行者数、消費額ともに一貫して増加。特に飛躍的な経済成長を遂げた2010年以降は、その勢いが加速している。
中国紙・経済参考報によると、今年の海外旅行者数は、ほぼ日本の総人口に匹敵する1億2000万人に達し、消費額は1940億ドルに及ぶ見通しだ。
日本を訪れた旅行者の割合をみると、11~13年は1%台半ばで推移していたが、その後の「クール・ジャパン」や「和食」ブームなどを背景に14年は2・2%へ増加。