平成28年度の沖縄振興予算は前年度比10億円増(0・3%増)の3350億円となった。前年度からの増額は26年度以来2年ぶり。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、政府と翁長雄志(おなが・たけし)知事の対立は法廷闘争に発展したが、菅義偉官房長官は24日の記者会見で「係争中でも必要な予算は付ける」と強調。来年1月の宜野湾市長選や夏の参院選を見据え、前年度比で微増したとみられる。
西普天間住宅地区(宜野湾市)跡地での国際医療拠点構築へ12億5千万円を計上。米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の進出をにらみ、県北の観光拠点推進調査に1億2千万円を盛り込んだ。那覇空港の第2滑走路建設(330億円)、沖縄科学技術大学院大学の拡充(167億円)も前年度と同額を確保した。
沖縄の子供の貧困解消に向けた緊急対策事業費として、島尻安伊子沖縄北方担当相の肝いりで10億円を新規計上。一方、繰り越しや不用額が問題視されてきた一括交付金は対前年度比5億円減の1613億円となった。翁長氏は24日、上京して菅、島尻両氏とそれぞれ会談し、謝意を伝えた。