サンマの資源保護が国際的な課題となる中、世界最大の漁獲量を誇る台湾の今年の水揚げが前年の半分以下の見通しとなったことが9日、分かった。台湾唯一のサンマ漁港、前鎮漁港(南部・高雄市)の幹部が明らかにした。異常気象などが背景とみられるが、台湾と競り合う日本のサンマ漁や、各国・地域がサンマなどの資源保護を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の議論にも影響しそうだ。(高雄 田中靖人)
前鎮漁港は台湾最大の遠洋漁港で、約600隻の登録漁船のうちサンマ漁船が107隻を占める。北太平洋で漁を終えた漁船が帰還して冷凍サンマを陸揚げする最盛期を迎えている。
前鎮漁港の幹部は、これまでの水揚げ量が前年比の「20%程度」とした上で、「今年は5割あればよい方だ」と語った。形も小さく細いものが多く、6段階のサイズ別で上位2級は「少ない」という。
日本の水揚げは2008年をピークに激減。一方で、台湾は13年に初めて日本を抜き、14年も各国・地域で最多となった。