「“やっちゃえ”NISSAN」。そんな威勢の良いテレビCMとともに、自動ブレーキなど自動運転技術の導入が始まっている。11月8日に閉幕した東京モーターショー2015の期間中には日本自動車工業会が「自動運転ビジョン」を公表。今後の展開シナリオとして20年までを「自動運転技術の実用化、導入期」、30年まで「普及拡大、展開期」、50年まで「定着、成熟期」と位置付けて、法的整備、通信・データ提供インフラ、次世代交通環境整備などを進める必要性を訴えた。
「交通事故の9割以上は人為的なミスによるもの」。日産自動車のカルロス・ゴーン社長は自動運転技術の重要性をアピールし、来年にも高速道路の単一車線に限った自動運転技術を市販車に搭載することを表明した。自動ブレーキも市販車に次々に標準装備を進めており、東京五輪が開催される20年には市街地での走行が可能な自動運転車を発売する計画だ。
こうした自動運転技術の導入で年間57万件以上も発生している交通事故はどれぐらい減らせるのか。全ての自動車が自動運転車になって人為的なミスを排除できれば交通事故が単純に9割以上減るかもしれない。ただ、当面は自動運転技術搭載車と一般車とが混在することになり、普及率と交通事故減少数の関係がどう推移していくかがポイントになる。