【ワシントン=青木伸行】オバマ大統領は、大規模な米軍地上部隊を派遣しての地上戦への関与は「誤りだ」と一蹴。これまでの戦略は「正しく、機能している」と力説し、有志連合による空爆を強化する方針を示している。フランスを含む有志連合は15日、シリアとイラクのイスラム国の拠点を空爆し、シリア東部アブカマルでは、タンクローリー116台を破壊した。パリ同時多発テロ後としては、報復的な初の空爆だった。
一方、米政府は有志連合国のサウジアラビアに、イスラム国への空爆などに使用するための精密誘導兵器スマート爆弾など、計12億9000万ドル(約1589億円)相当を供与する。
シリアでのテコ入れ策は反体制派への武器、弾薬の直接供与と、米軍特殊部隊約50人の常駐にすぎない。
こうした戦略に議論が百出している。元米中央情報局(CIA)のバック・セクストン氏は「特殊部隊を速やかに増強する必要がある」と指摘。元米空軍情報将校のリック・フランコナ氏は「米軍の空爆誘導要員を前線に配置し、標的を『米軍の目』で選定、誘導して空爆の確度を高めるべきだ」と主張する。