ミャンマーは名産品のヒスイの取引にまつわる疑惑が浮上した。英米に拠点を置き、世界各国の資源開発や貧困の実情などを調査する非政府組織(NGO)のグローバル・ウイットネスは、ミャンマーのヒスイの違法取引額が昨年310億ドル(約3兆8084億円)に達したとする報告書を発表した。現地紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。
世界銀行の統計では昨年のミャンマーの国内総生産(GDP)は643億ドルで、グローバル・ウイットネスが主張する違法取引額はこの半分に相当する。また、政府が昨年、保健分野に割り当てた予算の46倍となる計算だ。同国の公式発表では2014年4月~15年2月のヒスイ輸出額は約10億ドルにとどまる。
グローバル・ウイットネスの担当者は11年に民政移管を実現し、政府は軍政時代は過去のものとなったとしているが、ヒスイ産業に関してはまったく違う現実がある」と述べ、同産業には軍政時代の利権が残っているとして国軍関係者の違法取引への関与を示唆した。