【高論卓説】年160万人…迫る「多死社会」 (1/3ページ)

2015.10.28 05:00

 ■“看取り”問題深刻化 終末期ケア充実を

 少子高齢化とともに多死社会が迫っている。戦後から高度成長期の1970年代までは年間の死亡数は70万人台で推移してきたが、日本の総人口が1億人を突破した頃から死亡数も増え始め、2014年には127万人(総務省推計)となった。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、30年には死亡数は160万人を突破し、その後20年間は160万人台で推移すると予測している。

 この先15年で死亡数が現在の3割近く増えた場合、懸念されるのは看取りの問題だ。現在では約8割が病院で死亡しているが、この比率のまま推移するならば病院やホスピス(緩和ケア病棟のある施設)を大幅に増やさなくてはならない。医療費の増加抑制が求められている現状では看取りのために病床を増やすことは難しい。このままでは年40万人分の「死に場所」が不足するとの試算もある。

 一方、高齢者が介護を受けたい場所は、自宅が3割以上と最も高く、80歳以上では4割が自宅での介護を望んでいる。終末期における療養の場所でもギリギリまで自宅で療養することを望む人が6割を超える。最後まで自宅という人は1割強だが、自宅での看取りで家族に大きな負担をかけたくないとの思いがあるからだろう。

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