防衛装備戦略 森本敏・元防衛相に聞く アジア向け供給網、日米で支援を (1/2ページ)

2015.10.3 05:00

 森本敏・拓殖大特任教授(元防衛相)はフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、防衛装備の国際化の課題や、日米両国の協力の在り方などについて語った。主なやり取りは次の通り。

 --1日付で防衛装備庁が発足した

 「防衛装備庁の発足は、防衛装備の技術優位の確保と国際化に向けた良い機会となる。装備戦略を安全保障にどう機能させていくかという方針を作り、政府に与えられた使命の下で国が今まで以上に重要な役割を果たしつつ、産業界をリードし、防衛産業の技術開発や産業基盤の育成と新たなビジネスチャンスを作っていくという中核的存在にならなければならない」

 「装備の国際化を進めるには防衛産業につきまとう“レピュテーション(評判)リスク”の克服が課題になる。防衛各社にはいまだに『武器商人』のレッテルを貼られかねないとの警戒心がある。こうしたリスクをなくしてビジネスチャンスを広げ、日本の技術開発、防衛生産能力を質的に向上させることが安全保障につながるとの実感をメーカーに抱かせねばならない。そのためには、海外移転で目に見える成功例を示し、企業を鼓舞することが必要。主要案件の中ではオーストラリアの次期潜水艦やインド向けの救難飛行艇『US2』受注の行方を注視している」

 ◆人材育成も重要

 --体制整備面での課題は

 「海外移転に関するインテリジェンス(諜報網)の整備や、そのための人材育成も重要な課題だ。各国の意図や安全保障環境を把握しないまま移転を進めれば、(日本の技術の)意図せざる第三国移転につながりかねない。技術のデュアルユース(防衛と民生分野での両用)を進めるには予算をつけて大学や研究所にアウトソーシングすることで基礎技術やノウハウを活用する必要もある。しかし、同時にこれは技術流出につながる可能性もあるので、技術評価とリスク管理の両方ができる専門家の育成が必要になる」

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