【アトランタ=西村利也】米アトランタで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は1日(日本時間2日)、当初1日までの予定だった日程を2日まで延長することを決めた。参加12カ国の閣僚による共同記者会見は3日に行う予定。残る焦点の1つとなっている自動車の関税撤廃の前提となる参加国内からの部品調達比率は50%台半ばで決着する方向となった。
2日目の全体会合は初日と同様に約1時間で終了した。知的財産の新薬データ保護期間などで依然対立の溝が埋まっていないことから、関係各国が2国間協議や事務レベル協議を重ね、課題を詰めた上で全体会合を再開することを確認した。
甘利明TPP担当相は全体会合後、記者団に「今回(会合を)延期するのは、解決の可能性を信じて各国が最後の努力をする意思表示だ」と強調。「少しずつ前に進みつつあり、1日延ばしてもやる価値があるという判断を皆がした」と述べ、大筋合意への期待を示した。
自動車部品の調達比率は「原産地規則」と呼ばれるルールの1つで、自国に多くの部品メーカーを抱えるカナダとメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)で定めている62・5%を求めていた。これに対し、タイやインドネシアなど、TPP交渉参加国以外からの部品調達も多い日本は40%程度を求め、対立していた。今会合中は、この3カ国に米国を加えた4カ国が事務折衝を断続的に行い、妥結点を探ってきた。
双方の計算方法に違いがあることも踏まえて調整を進めた結果、日本の方法では50%台半ば、カナダなどでは40%台半ばとする方向で折り合いつつある。最終的に閣僚間の折衝で決着を図る方針だ。