【論風】介護移住構想を考える 持続可能性に目を向けよ (1/3ページ)

2015.9.24 05:00

 □元経済産業事務次官・北畑隆生

 6月、日本創成会議が提言した「介護移住」が波紋を呼んでいる。大胆な構想という評価の一方で、財政負担や経済効果を理由に個人の生き方に介入するものという反発があり、首長の多くは批判的で、評論家の中には「平成の姥捨政策」という人もいる。

 構想は1都3県で高齢化が進行し、10年後には13万人分の介護施設が不足する、その解決策の一つとして高齢者が地方に移住する「介護移住」を提唱、受け入れ候補地として、介護ベッド数、医療機関に余裕のある41地域を公表するものだ。

 受け入れ先自治体からは、「経済効果はあるが、介護、医療の負担が増える。マンパワーも不足している」「県民、市民の施設整備が先決で、他地域からの受け入れを想定して努力してきたわけではない」と問題点を指摘されている。一方、施設不足を指摘された首都圏の首長からも、「一生懸命働いて50歳くらいになったら地方に行けと言われても。人間や生きざまを分かってから提言してほしい」とか、「縁もゆかりもない地方に行けと言われてもピンと来ない」と批判される始末である。

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